リニア工事 水の所有権「議論しない」 川勝県知事、山梨ボーリング巡り

 川勝平太知事は13日の定例記者会見で、リニア中央新幹線トンネル工事を巡りJR東海が山梨県内の県境付近で進めている高速長尺先進ボーリングにより静岡県内の地下水が引っ張られて流出するとの同県の懸念について、「静岡の水か、山梨の水かという議論はしない」と述べた。
 川勝知事は「水は流れるもので、行政的な単位の話をするのは向かない。共有財産」との認識を示した。一方で「懸念払拭(ふっしょく)の義務は事業主体にある」とし、引き続きJRに対応を求める姿勢を見せた。
 県はボーリングにより流出する水の戻し方が決まるまで、県境まで300メートルの区間を削孔(さっこう)しないようJRに求めている。川勝知事は要請を撤回する意思はないと改めて説明した上で、県有識者会議専門部会でボーリングを容認する意見がまとまった場合は「専門部会の方針に従う」と述べた。

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