「人権感覚の欠如」問題 静岡県教育長、不祥事相次ぎ対策方針

 静岡県教委の教職員の不祥事が2022年度から相次いだことを受け、池上重弘教育長が16日、県庁で記者会見した。不祥事根絶に向け「人権を尊重する感覚が欠如している」と教育現場の課題を述べた上で、学校横断的に問題意識を共有して対策を進める方針を示した。

教職員の不祥事対策について会見する池上重弘教育長=16日午前、静岡県庁
教職員の不祥事対策について会見する池上重弘教育長=16日午前、静岡県庁

 池上教育長は23年度に新たに取り組む対策として、体罰や不適切な言動を防止するためのガイドラインの作成や、アンガーマネジメント研修を実施すると説明した。高体連や中体連と連携し、部活動の顧問らが競技単位などで課題を共有する場も設けるという。学校の枠を超えた対策につなげる。教職員が原因や再発防止策を話し合う各校のグループワークは22年度に引き続き取り組む。
 池上教育長は、多くの教職員が熱意を持って児童生徒の教育に携わっているとした上で、教員と子どもの間に生じる上下関係の特殊性を認識する必要性を指摘。「子どもが教職員と対等の人格、個性を持った一人の人間として尊重されることが重要」との考えを示した。
 県教委によると、22年度の県教委所管教職員の懲戒処分は14人。そのうち逮捕者は10人に上り、近年では突出して多かった。23年度はこれまでに4人を懲戒処分とした。うち2人は18歳未満の女性にわいせつ行為をしたとして逮捕された。

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