大雨復旧支援に手作り鋤簾 静岡のボランティア拠点 熊本の高校が寄贈

 今月上旬の台風2号で被災した静岡県を支援しようと、熊本県山鹿市の鹿本商工高はこのほど、生徒が手作りした泥かき用具「鋤簾(じょれん)」16本を県総合社会福祉会館(静岡市葵区)に開設中の県災害ボランティア本部・情報センターに寄贈した。同センターは早速、泥かきが必要な被災地域に貸し出した。

熊本県立鹿本商工高から届いた生徒手作りの鋤簾=静岡市葵区の県総合社会福祉会館
熊本県立鹿本商工高から届いた生徒手作りの鋤簾=静岡市葵区の県総合社会福祉会館

 鋤簾は同校機械科の生徒が授業で学んだ溶接や板金加工などの技術を応用して作り、配送で同センターに贈った。2017年の西日本豪雨の際、福岡県朝倉市で民家などに流れ込んだ土砂の排出作業に生徒がボランティアとして参加した経験から、小型の鋤簾を毎年製作している。完成品は大雨被災地に贈っていて、今回は本県のほか台風2号で被災した和歌山、高知、愛知の3県にも発送した。
 泥をかき出す鉄板は縦10センチ、横15センチで、かき出しやすいよう縁を若干曲げてある。持ち手には滑り止め用に手を通すひもを付けた。
 同校の中島康剛教諭は電話取材に「地域は離れていても心配している。少しでも復旧を手伝えれば」と話した。同センターの高橋邦典本部長は「県内各地で被害が出ていて資材の数が必要なのでありがたい。有効に活用する」と感謝した。
 (社会部・小沢佑太郎)

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