徳川財団資料リスト提示 文化財管理へ計画策定 浜松市議会常任委

 浜松市議会は19日、5常任委員会を開き、市の5月補正予算案など付託議案を審査。26日の5月定例会最終本会議で全議案が可決される見通しとなった。市は総務委員会で、中区の浜松大河ドラマ館を閉館後に徳川記念財団の資料展示収蔵施設とする構想について、収蔵される資料リストの一部を提示した。国の重要文化財など貴重な品々が含まれていて、市は文化財の管理に関する国の要件を満たし、安全性も高い施設とするため、本年度中に施設の基本計画を策定する方針。

徳川記念財団が扱っている所蔵品。左上は重文の茶道具、右上は東照大権現霊夢像(浜松市提供)
徳川記念財団が扱っている所蔵品。左上は重文の茶道具、右上は東照大権現霊夢像(浜松市提供)


 同財団は全国に点在している約2万5千点の資料を同市の新施設に集約する計画を進めている。大半の資料は未公開だが、市は同財団の展覧会図録などから把握できた180点をリスト化した。
 重文「唐物肩衝茶入 銘 初花(大名物)」は織田信長、豊臣秀吉、徳川家康と天下人3人が愛用したとされる茶道具。この3人の直筆書「三公集成」や狩野探幽作画「東照大権現霊夢像」、重要美術品の太刀なども掲載されている。
 市は仮設構造の現ドラマ館を常設に作り替え、資料の劣化や盗難を防ぎつつ集客に資する施設としたい考え。補正予算案で基本設計の策定費と有識者検討委員会の設置費合わせて2800万円を計上している。総務委員会は予算案を可決したが、一部委員から「財団との間で急に浮上した話だとはいえ、総合計画や浜松城の長期整備構想に未掲載の事業が突然予算化される点に違和感がある」などと十分な検討や説明を求める意見も出た。
 (浜松総局・宮坂武司)

いい茶0
あなたの静岡新聞 アプリ
地域再生大賞