静岡人インタビュー「この人」 看護師の全国体験文コンクールで最優秀賞に輝いた 糠塚真由子さん(富士市)

 看護師としての体験文を厚生労働省などが募集した「忘れられない看護エピソード」で最優秀賞を受賞した。外出中に女性を救助したことをきっかけに、娘が看護師を志望し始めたという話をつづった。昨年からは富士市立看護専門学校の教員を務める。41歳。

糠塚真由子さん
糠塚真由子さん

 -応募のきっかけは。
 「看護師をする中で2人の娘の育児と両立することが難しく、仕事をやめようと考えたことが何度かあった。日頃は勤務で家にいないことに愚痴を言っていた娘が『かっこよかった。ママみたいになりたい』と言ってくれ自分の仕事に誇りを持てた。看護師の人手不足が続いている。この経験を、同じように退職しようか悩んでいる人に伝えて応援できればと思った」
 -仕事と育児の両立で大変だったことは。
 「夜勤で家を空けることが多く、子どもの預け先を見つけることに苦労した。育児休暇後の職場復帰に当たっては、娘たちを世話しながら看護技術を復習しなければならなかったため、十分に睡眠時間を確保できなかった」
 -看護師の人手不足の解決へ医療機関に求められることは。
 「産休や育休を経て職場に戻る看護師のケアを充実させてほしい。病院内保育所の24時間保育や病児保育を可能にしたり、復帰後は時短勤務など働き方の選択肢を増やしたりすれば、負担が減るのではないか」
 -看護学校の教員として学生に伝えたいことは。
 「看護師は、患者との関係を通して人の気持ちに寄り添う姿勢が学べる。普段から困っている人に手を差しのべられるようになる。大変な面もあるが一人でも多くの人に長く仕事を続けてもらいたい」

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