今川義元の父、氏親弔う 静岡・増善寺で生誕550年記念 非公開木像見学も-静岡

 静岡市葵区慈悲尾の増善寺で23日、戦国大名今川義元の父、今川氏親の生誕550年を記念した命日法要が営まれた。同区大岩にある今川家の菩提(ぼだい)寺臨済寺の住職や修行僧、市内外の歴史ファンなど約50人が参加し、名君と呼ばれた氏親公を弔った。

通常は非公開の氏親公木像を写真に収める参加者=静岡市葵区慈悲尾の増善寺
通常は非公開の氏親公木像を写真に収める参加者=静岡市葵区慈悲尾の増善寺

 黒沢慈典住職(50)の読経に続き、同寺護寺会総代の千代伊平さん(79)が代表して焼香した。千代さんは「長い歴史を持つ由緒ある寺をこれからも支え、守っていきたい」と話した。参加者は、通常は非公開となっている氏親の木像を見学したほか、氏親が仏道を求める心を詠んだ歌碑や墓所を参拝した。
 法要終了後には、元静岡県立大非常勤講師の黒沢脩氏(77)が「日本を変えた2人の戦国武将」と題し、今川氏親と北条早雲の逸話などを紹介する講演会を開いた。早雲が今川家の家督争いで氏親を支援し、その後氏親の家臣として関東勢力の前線を警備する重要な任務に就いたエピソードを披露。さらに民主主義の先駆けとも言える国内最古の分国法「今川仮名目録」を制定した氏親の領国経営手腕を「時代を切り開いた寵児(ちょうじ)だった」とたたえた。

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