静岡空襲の犠牲者追悼 平和へ誓い新た 静岡・賤機山で日米合同慰霊祭

 太平洋戦争末期の1945年6月、静岡空襲で犠牲になった市民約2千人と、爆撃中に空中で衝突し墜落死した米軍B29爆撃機の搭乗員23人を追悼する日米合同慰霊祭が24日、静岡市葵区の賤機山山頂で営まれた。遺族や自衛隊、在日米軍横田基地関係者ら約100人が参列し、恒久平和へ誓いを新たにした。

慰霊碑にバーボンウイスキーを献酒する米軍関係者ら=静岡市葵区の賤機山
慰霊碑にバーボンウイスキーを献酒する米軍関係者ら=静岡市葵区の賤機山

 参列者は、黙とうと両国の国歌斉唱に続いて祭壇に向かって焼香した。墜落時の衝撃で米兵の手形が生々しく残り、黒く焼け焦げた遺品の水筒にバーボンウイスキーを入れ、慰霊碑に注ぐ献酒や米政府から贈られたハナミズキへの献水も行った。
 72年から約50年にわたり同式典を主催する同区の医師菅野寛也さん(89)は、ロシアによるウクライナ侵攻など不安定な世界情勢に触れ「日米合同で行うこの静岡のセレモニーが、世界平和の一歩になることを願う」と言葉に力を込めた。
 同基地の司令官アンドリュー・ラダン大佐は敵味方の区別なく死者を埋葬し、慰霊碑を建てた僧侶伊藤福松さん(故人)への敬意を示した上で、「犠牲を忘れることなく、安定した平和を継続していくことが重要」と述べた。

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