都内の高校生が生産者の声聞く 農業の課題、解決策探る 磐田

 順天高(東京都)の生徒がこのほど、食農環境の変化を学ぶフィールドワークを磐田市内で実施した。多品目栽培の農家や農地保全に取り組む住民団体などの活動を見学し、農業の取り巻く課題や解決策を探った。

左口さん(左)のブドウ農園を見学する順天高の生徒ら=磐田市大久保
左口さん(左)のブドウ農園を見学する順天高の生徒ら=磐田市大久保

 1~2年の6人は、同市大久保で茶園をブドウ農園に転換した左口博文さん(71)を訪ねた。左口さんは近年、お茶の需要が低下して茶の単価が安くなり、後継者不足が深刻化している現状を説明。「周辺はブドウ園がなかったので、地元の方に応援してもらえるのではないかと考えた。整備にコストがかかるので敷地内に小さな農園を作り、経営が成り立つのか実験を繰り返した」と話した。
 同農園では、シャインマスカットなど5品種を栽培し、市内の直売所で販売している。左口さんの娘亜紀さん(42)とともに後継者となる鈴木紫穂さん(38)は「お客さんから直接『おいしい』との声を聞くことができるので、やりがいを感じる」と語った。生徒らは積極的に質問し、熱心にメモを取る姿がみられた。
 このほか、耕作放棄地の再生や維持管理を行う住民団体「岩田故郷の会」の関係者から活動内容の説明を受けた。生徒らは今後、生産者らへの聞き取りを基に、調査結果をまとめる。
 (磐田支局・崎山美穂)

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