静岡人インタビュー「この人」 しずおか自主夜間教室を主宰する 深山孝之さん(静岡市清水区)

 教職を務め、教員仲間の肥田進さんと2020年から静岡市葵区のアイセル21で、民間の自主夜間教室「しずおか自主夜間教室」を開いている。61歳。

深山孝之さん
深山孝之さん

 ―学習者の状況は。
 「未就学児から70代まで40人ほどが登録し、毎回10人ほどが来て各自が希望する学習に取り組んでいる。講師は教員経験者や大学生、高校生などで1人以上が付き、対話も多い。一つの小説を題材にわいわい語り合うグループもあって、しんとしているというよりも毎回にぎやかで、心地よい居場所だ」
 ―活動で気付いたことは。
 「外国籍の子や不登校の子、学び直しの高齢者など年齢も背景、動機も多様だ。対話を通じて講師が学ぶことも多く、教える、教わる間柄というより仲間という表現の方がしっくりくる。特に子どもにとって私たちは接点を持つ数少ない大人で『ここなら誰でも安心して話せる』と思える場にしたい」
 ―今後の目標は。
 「どんどん地域とつながって他機関との連携を進めたい。開室以来、教室に来た不登校の子の高校進学や外国人の就労、教室以外の居場所作りなど支援をして、そう実感した。一人だけだと孤立のリスクがある人が社会につながる学びのプラットフォームとして役割を果たしたい。そのためには安定した運営による継続は欠かせない」
 ―民間の夜間教室の魅力は。
 「学習、居場所、交流という三つの役割を持ちつつ、社会と連携できること。上下関係なく学び合いができることなど幅広い。活動を通じて地域連携を含めた夜間教室の意義について関心が高まり、昨春、県立大の大学院に入学した。私自身も教室をきっかけに学ばせてもらっている」

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