富士山 山梨側で山開き 県「混雑予想カレンダー活用を」

 富士山は1日、山梨県側の吉田ルートが山頂まで全面開通する。静岡県側の富士宮、須走、御殿場の3ルートの開通は10日。富士山世界遺産登録10年の今年の夏山シーズンは新型コロナウイルス下の行動制限がなくなり、昨年と比べて登山者の大幅な増加が予想される。山小屋によっては感染対策を継続する。

2023年 富士山混雑予想カレンダー
2023年 富士山混雑予想カレンダー

 県は山頂付近での混雑をできるだけ避けるために「混雑予想カレンダー」を参考に登山計画を立てるよう呼びかけている。静岡、山梨両県などで構成する富士山世界文化遺産協議会が2017年夏から、週末や祝日に集中しがちな登山者を平日に誘導する平準化対策として運用を始めた。
 今夏は金、土、日曜のほか、お盆期間を含む8月第2、3週を中心に「混雑」や「特に混雑」が発生すると予想する。これらの日は午前3~5時ごろ、山頂での御来光を目指す人たちで8合目以上が渋滞し、「特に混雑」の日では転倒などの危険性が高まる。県の担当者は登山日をずらしたり、混雑する時間帯を避けて登頂したりすることを推奨している。
 県によると、8合目以上の山小屋の宿泊予約は平日でも取りにくい状態になっている。各ルートの山小屋組合のホームページで最新の予約状況を確認するよう求めている。
 コロナ感染対策について県は昨シーズンまで、県内の各ルートの5合目とマイカー規制駐車場で全登山者に検温と体調の確認を求め、異常がないと判断した人にリストバンドを渡していたが、今年はいずれも実施しない。山小屋への感染対策の要請も見合わせた。ただ、一部の山小屋と富士宮ルート8合目にある富士山衛生センターでは利用者に手指の消毒やマスク着用など基本的な感染対策を引き続き求める。県の担当者は「施設側の指示に従ってほしい」としている。
 閉山日は両県とも9月10日。

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