静岡人インタビュー「この人」 NPO法人「山に生きる会」理事長に就任した 坂本貞夫さん(浜松市天竜区)

 浜松市天竜区水窪町の豊かな自然や文化を後世に伝える取り組みや、山道の環境整備を手がけるNPO法人「山に生きる会」の理事長に6月1日付で就任した。半世紀以上を同町で過ごし、日々感じている地元の課題は多い。同町自治会連合会会長の経験などを生かし、地域の活性化に汗を流す。75歳。

坂本貞夫さん
坂本貞夫さん

 ―暮らしの中で意識している地域の課題は。
 「三遠南信自動車道の部分開通がこれから進み、観光客が増えると思うので、水窪に立ち寄ってもらえる仕掛けをつくらないといけない。一方で、山に生きる会の会員は高齢化が進み、後継者がいない状況。観光面と若手の確保が一番の課題で、どう解決すべきか考えている」
 ―理事長に就任して、最初に取り組みたいことは。
 「水窪の自然や文化を楽しめる体験を用意し、若い人と協力して何かをつくり上げるようなイベントを企画したい。かつては、天竜方面の子どもたちと交流をもっと重ねていた。これまでのNPOの活動を維持しながら挑戦したい」
 ―NPOの活動を通して感じる水窪の魅力は。
 「手つかずの自然がたくさん残っていること。道が整備されている山道もあれば、歩くのが少し難しい道もある。整備が少ない自然な部分を好む人もいるのでバランスを大事にしたい。地元の文化として根付いている『粗末にせず、最後まで食べる』考え方も気に入っている」
 ―理事長の傍ら、1月末に閉店した土産店「みさくぼ『路の里』」の再開に力を入れている。
 「地域の高齢者にとって生きがいを感じられる場所だった。絶対になくなってはいけない。まずは旅行客の休息所にも使ってもらえるよう準備したい」

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