落水者救助技術向上へ訓練 ライフジャケット着用 清水海上保安部

 海水浴場開設など本格化するマリンレジャーシーズンを前に、清水海上保安部は3日、静岡市の清水港で落水時対処訓練を実施した。海上保安官がライフジャケットを着て海に飛び込み、小型巡視艇から揚収ネットや毛布を使って引き揚げる訓練を行ったほか、ライフジャケットのベルトを締めないなど不完全な装着だとどのようになるかを若手・中堅職員が改めて身をもって体験した。

漂流者を巡視艇に揚収する訓練を行う清水海上保安部の職員ら=清水港
漂流者を巡視艇に揚収する訓練を行う清水海上保安部の職員ら=清水港

 訓練は巡視艇ふじかぜやみほかぜ、警備救難課職員10人以上が参加。幹部らも巡視した。エスパルスドリームプラザ近くの日の出の船だまり(水深5~6メートル)で、市民らも見物するなか訓練を行った。
 ライフジャケットを身に着けた要救助者役の職員が巡視艇から海に入り、意識がある場合とない場合に分けて実施した。意識がない場合では、「ファイバーライトクレードル」(縦5~6メートル、幅2メートル)と呼ばれる特殊なネットを使って巻き上げるように船に収容した。
 小型巡視艇での救難活動は甲板が狭く、柵もないため、海上保安官自身が安全に細心の注意を払う必要がある。安全確保のため潜水士を配置したうえでライフジャケットのベルトをせずに海に飛び込み、ジャケットは浮いても顔は着水してしまうことを確認した。
 同保安部警備救難課の佐々木将専門官によると、訓練は広くライフジャケットの重要さを広報することも目的。「釣りの親子連れで子供が着ていても親が着ておらず、いざというとき落ち着いて対処できないケースもある」とし、着用の重要さを強調した。

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