駿河湾フェリー22年度決算 運航継承後初の黒字

 一般社団法人ふじさん駿河湾フェリーがこのほど発表した2022年度決算は1100万円の最終黒字だった。新型コロナウイルス禍以降では初めて年間輸送人員が10万人を超え、経費削減も進んだ。最終黒字は民間企業の撤退を受けて同法人が運航を継承した19年度以降初めて。

駿河湾フェリー
駿河湾フェリー

 22年度の輸送人員は前年度比34%増の10万8128人だった。当初予算で見込んでいた12万6千人には届かなかったものの、利用促進策として年間を通じて運賃半額キャンペーンを実施し、団体・個人利用ともに伸びた。
 収益は6億3500万円だった。運賃収入は2億2300万円で、当初計画を1400万円下回った。同法人を構成する県と6市町が負担金として2億5500万円を拠出。県の補助金8200万円を運賃半額キャンペーンに充てた。
 費用は低燃費運航による経費削減を進め、燃料費を当初計画よりも1200万円少ない1億3800万円とした。
 滝浪勇理事長は記者会見で、コロナ禍で落ち込んだバス利用の団体客が今後も完全には回復しない可能性を指摘。24年度にフェリー発着場がJR清水駅東口の江尻地区に移転する計画を見据え「電車を降り、徒歩で乗船する人の数を増やし、団体客の減少分をカバーしたい」と述べた。

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