静岡人インタビュー「この人」 小山町歌を制作した 秋田悦夫さん(小山町)

 小山町が町制施行110周年記念事業の一環として一般募集した町歌で、応募64作品中の最優秀作品に選ばれた。町議会6月定例会で条例が可決され、正式に町歌として制定された。クリーニング会社経営。66歳。

秋田悦夫さん
秋田悦夫さん

 -応募の経緯は。
 「大学生の頃、東京都に住んでいた。ハードな生活で心身が摩耗する中、京王線の駅から小さな富士山を見た。麓に家族や友達がいて、豊かな自然があると思うと望郷の心が芽生えた。町に帰り、町のために活動したいと無性に思うようになった。町歌もその精神で作った」
 -制作で工夫したことは。
 「小さな子どもたちから高齢者まで気軽に、一緒に歌える単純なメロディーを意識した。シンプルな曲というのは意外にも、複雑にしたり飾り付けをしたりする曲よりも作るのが難しい。歌詞も非常に大切で、無理なイントネーションやアクセントにならないよう気を配った」
 -音楽の素養は。
 「音楽が好きで高校生の頃からギターを弾いていた。作詞作曲は独学で、地元のすがぬまこども園の園歌や町の賛歌となっている『ふるさとの風』などを制作してきた。今回の町歌の歌詞は富士山や湧水、金時山など地域の魅力を詰め込んだが、一番に頭に浮かんだのは『我が町おやま』という言葉。小山を一度離れ、こんなに良いまちはないと実感し、その気持ちをうまく曲に織り込めたと思う」
 -町歌活用に対する希望は。
 「町には人情がある人がとても多く、人と人とをつなぎたいとさまざまな活動に取り組んできた。町歌は町民の心を一つにする道具として、また元気の源としてぜひ皆さんに歌ってもらいたい。いつか自分も参加して大合唱できたらうれしい」
 (御殿場支局・塩谷将広)

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