富士登山「安全第一に」 山麓の宿泊施設が啓発 静岡県側10日山開き

 富士山の静岡県側3登山ルートの全面開通(10日)が間近に迫り、富士宮市内には9日午後、国内外の登山客が続々と集まった。今季の富士山は混雑が予想され、市内の宿泊施設などでスタッフが登山予定者に安全と健康の確保を呼びかけている。

登山予定の宿泊者に安全登山を促すフロントスタッフ=富士宮市の富嶽温泉花の湯
登山予定の宿泊者に安全登山を促すフロントスタッフ=富士宮市の富嶽温泉花の湯

 同市の富嶽温泉花の湯ではチェックイン開始の午後4時以降、大きなリュックを携えた宿泊客の姿が増え始めた。フロントスタッフは入館手続きの最後にチラシを示し、「登山中とても混雑するかもしれないので注意を」と無理のない計画的な登山を促した。
 弾丸登山への注意も訴える。花の湯には例年、深夜に来て入浴と小休止した後に未明から富士山に向かう客が一定数いるといい、古市大三支配人は「深夜の入館者に高山病や低体温などの危険性を伝える予定」と語る。
 新型コロナウイルス下の行動制限が解除されて初めての夏山シーズンとなり、山麓の関係機関は混雑日の登山の回避を求めているが、富士山を目前に引き返すよう促すことに心苦しさがあるという。古市支配人は「富士登山が良い思い出になったと帰ってもらえるように、できる限りの啓発に努めたい」と話した。

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