シーズン本番へ安全祈願 静岡県側3ルート開通、富士宮で開山式
富士山の本県側登山道3ルートが10日、山頂まで開通し、山麓各地で開山式などが行われた。関係者が世界遺産登録10周年の夏山シーズン到来を祝い、事故のない夏にしようと安全祈願した。
富士宮市の富士山本宮浅間大社では登山バスの出迎えやパレード、開山祭などを行った。大鳥居の前で地元関係者が登山客を拍手で迎えた。市観光協会の石田寛二副会長は「万全の体調や装備で登山して」と呼びかけた。地元の旅館などでつくる組合の有志が、参道を大金剛杖を担いでパレードし本殿に向かった。
同市の村山浅間神社では、山伏や富士根北中生が水ごり場で冷水に打たれ心身を清めた。村山口登山道で開いたお山開き式では、須藤秀忠市長が「世界遺産10年の記念すべき年。富士山の文化と自然を後世に継承したい」と話し、開山を宣言した。山伏が登山口に張られた縄を太刀で切り、開山した参道を進んだ。中学生による「山伏問答」の再現や護摩たきも行った。
外国人で初めて富士登山した英国公使オールコックにちなみ、駐日英国大使館の関係者が各行事に参加した。
(富士支局・沢口翔斗)