しずおかFGと浜松市協定 官民でカーボンニュートラル実現へ

 2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにするカーボンニュートラル(CN)の実現に向け、浜松市としずおかフィナンシャルグループ(FG)は13日、包括連携協定を締結した。資金や人材面で脱炭素化に二の足を踏んでいる市内中小企業の支援、市が調査を進める市内森林資源を生かした「J―クレジット」の地域展開などに関して連携し、サステナブル(持続可能)な地域の発展につなげる。中野祐介市長と柴田久社長が市役所で協定書を交わした。

カーボンニュートラル実現に向けた包括連携協定を交わした柴田久社長(右)と中野祐介市長=13日午前、浜松市役所
カーボンニュートラル実現に向けた包括連携協定を交わした柴田久社長(右)と中野祐介市長=13日午前、浜松市役所

 同FGの静岡銀行が中小企業などに原則無料提供する予定の温室効果ガス排出量算定ツール(開発中)の市内データを「見える化」して共有し、中小企業の脱炭素経営を支援する市の政策立案に役立てる。森林の二酸化炭素(CO2)吸収量などを国がクレジット(排出枠)として認証する「J―クレジット」の創出や、市内で売買する“地産地消”の可能性なども探る。
 同FGは23年度から5年間の新中期経営計画で、温室効果ガス削減率など地域の将来目標を「サステナビリティ指標」として初めて経営目標に据えた。市がCN推進事業本部を設けるなど脱炭素の取り組みを積極的に進めているほか、市が中心となって設立する中小企業の脱炭素化支援組織に静岡銀行が加わっている縁で協定締結に至った。22年10月の同FG移行後、他組織との協定締結は初めて。
 中野市長は「地域の金融機関と行政が連携して企業の脱炭素化を後押しすることは非常に有効で心強い」と意義を語り、柴田社長は「CNに向けて官民一体の取り組みが求められている。浜松市と手を携え、サステナブルな地域づくりに貢献したい」と述べた。

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