毛無山(富士宮市、山梨県身延町) 金採掘でにぎわった登山道【山ある記】

毛無山山頂から見た富士山と初日の出=2022年
毛無山山頂から見た富士山と初日の出=2022年
大型のハイカグラテングタケも見つかった=6月下旬、浜松市浜北区の県立森林公園
大型のハイカグラテングタケも見つかった=6月下旬、浜松市浜北区の県立森林公園
毛無山山頂から見た富士山と初日の出=2022年
大型のハイカグラテングタケも見つかった=6月下旬、浜松市浜北区の県立森林公園

 毛無山(1964メートル)は富士山の西、山梨県境の天子山地の最高峰で、日本二百名山、山梨百名山に指定されている。武田信玄の時代には金の採掘でにぎわった麓からの登山道がある。
 最近有名になったふもとっぱらキャンプ場の先、山の南麓を半周するように東海自然歩道が整備されている。この場所と西のA沢貯水池付近に立派なトイレがある。ここから左折すると西端に駐車場がある。
 登山道に入ると、神社と金鉱石を砕いた機械の残骸が見られる。道は枯れ沢を渡り、尾根道と沢道に分かれるが、金山沢の道は崩落した部分もあり危険で、尾根道を登るべき。不動の滝を見て中間地点には遭難事故発生時に備えたヘリコプターのつり上げ場所が設定されている。
 3時間ほどで稜線[りょうせん]に出て、右に20分ほど進むと山頂。本当の最高点はまだ先だが、この1945メートルの地点からの富士山の展望が良く、山梨百名山の標識と三角点があることから、ここを山頂として往復する人が多い。
 北の山梨側へ下る2本の道は、踏み跡程度なのでお勧めしない。稜線を縦走した場合には、最高点から大見岳、高デッキ、雨ケ岳、端足峠、A沢貯水池へ下り、東海自然歩道を周回して麓に戻ることが可能だが、相当に健脚な人向けだ。
 (富士宮山岳会・小林久二彦)

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