交流の歴史、将来へつなぐ 朝鮮通信使足跡たどる 韓国大学生ら静岡・宝泰寺訪問

 江戸時代に朝鮮王朝が日本に派遣した外交使節「朝鮮通信使」の足跡をたどるため来日している韓国の大学生らの訪問団「青年新朝鮮通信使」は19日、静岡市葵区伝馬町の宝泰寺を訪れた。藤原東演住職(78)に説明を受け、同寺と朝鮮通信使の関わりを学んだ。

藤原住職の話に耳を傾ける大学生ら=静岡市葵区の宝泰寺
藤原住職の話に耳を傾ける大学生ら=静岡市葵区の宝泰寺

 同寺は江戸時代、幕府の命令で朝鮮通信使の休息所として使われた歴史がある。藤原住職は1748年に朝鮮通信使の長である正使と当時の住職が交換した漢詩を紹介し、「兄弟として交流したいと書かれている」と説明。全国各地の朝鮮通信使の訪問先を巡ることで、「いかに心の交流をしていたか感じ取ってもらえたら」と呼びかけた。
 青年新朝鮮通信使の訪問は在日韓国大使館と韓国の新聞社「朝鮮日報社」の主催事業で、同国の大学生や社会人ら17人が参加。13日から下関、広島、大阪、京都を巡り、18日に静岡市に入った。同市清水区の清見寺なども訪れた後、東京に向かう。日本滞在は21日までの予定。
 大学で医学部を卒業したというウ・ヒョンジェさん(26)は「韓国と日本はこれから関係が良くなる気がする。自分は将来、日本の病院で働きたい」と語った。

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