御神船 4年ぶり引き回し 熱海・阿治古神社例大祭 かけ声 威勢良く

 熱海市網代地区で20日、阿治古神社例大祭の本祭が執り行われ、御神船「両宮丸」の引き回しが4年ぶりに行われた。威勢の良い男衆のかけ声が漁師町に響き渡り、沿道の住民に元気をふりまいた。

勇壮に両宮丸を引き回す男衆=熱海市網代
勇壮に両宮丸を引き回す男衆=熱海市網代

 地元の男衆とともに熱海高生、中央大の学生ら計約60人が「ヤー、ヤー」とかけ声を出しながら、全長11メートル、重量5トンの船を引いた。狭い曲がり角はてこを使いながら巧みに方向転換し、国道135号ではスピードアップして地域を駆け抜けた。
 同神社の例大祭は400年の歴史があるとされる。両宮丸は豊臣秀吉の小田原城攻めに網代の漁師が参加した際、秀吉から使用が許されたという「流れ瓢箪(ひょうたん)」模様の布をまくのが習わしという。引き回しは、新型コロナウイルス禍の影響で中止が続いていただけに同神社の護持会長を務める間瀬真行さんは「みんなで盛り上げる祭りが復活してとてもうれしい。学生の参加もありがたい。伝統を次世代に受け継いでいきたい」と話した。
 (熱海支局・豊竹喬)

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