佐藤九段2回戦へ 将棋JT杯静岡大会 183手熱戦、稲葉八段破る

 プロ棋士の公開対局などを行うイベント「将棋日本シリーズJTプロ公式戦/テーブルマークこども大会」静岡大会(日本将棋連盟、静岡新聞社・静岡放送主催)が22日、静岡市駿河区のツインメッセ静岡で開かれた。全国を巡回するトーナメントの1回戦第3局を行い、先手の佐藤天彦九段が稲葉陽八段を183手で下し、2回戦に進出した。

将棋日本シリーズJTプロ公式戦で対局した佐藤天彦九段(手前左)と稲葉陽八段(同右)=22日午後、静岡市駿河区のツインメッセ静岡
将棋日本シリーズJTプロ公式戦で対局した佐藤天彦九段(手前左)と稲葉陽八段(同右)=22日午後、静岡市駿河区のツインメッセ静岡

 約2時間の大熱戦を粘りの将棋で制した。序盤から互いに大駒を取り合い、先手角2枚、後手飛車2枚の戦いとなった。稲葉八段は8三香、8四香を連ねて突破を図ったが、佐藤九段は6八玉でかわして桂2枚で中央から攻めたてた。中盤から終盤にかけては互いに視野を広く保って押し引きを繰り返したが、佐藤九段が1四角で稲葉八段を窮地に追い込み、勝負を決めた。
 佐藤九段は「序盤は駒を使いすぎてさえない将棋だった。終盤は玉の周りを厚くして優勢だった」と対局を振り返った。稲葉八段は「勝負をかけるタイミングが少し遅かった」と反省の弁を述べた。
 佐藤九段は9月16日に高松市で行われる2回戦第3局で渡辺明九段と顔を合わせる。「10代の頃からお世話になっている、時代をけん引する棋士」と尊敬の念を口にし「今日とは異なり、粘る前の切り合いになるだろう」と戦況を予測した。

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