静岡人インタビュー「この人」 短編映画祭を初開催する映画監督 藤木裕介さん(沼津市)

 短編映画制作の傍ら、国内外で活動する現代アートチーム目[mé]の制作サポートなどに関わる。8月27日、沼津駅近辺で短編映画祭「みちくさ映画祭」を初開催する。39歳。

藤木裕介さん
藤木裕介さん

 -企画のきっかけは。
 「昨冬、市内で短編映画を作るワークショップを開いたが、関係者以外に上映する機会がなかった。参加者の一人で、映画上映会『スキマcinema』を主宰する大木真実さんが、より多くの人に見てもらえる場所をつくろうと映画祭を提案した」
 -映画祭の概要は。
 「公募で集まった20分以内の短編映画を複数の会場で上映する。上映作品を選考する「推薦委員」も沼津に関わる人を対象に公募した。推薦理由をプレゼンする機会も設け、一人だけが選んだ作品も上映する機会を検討し、上映時間などを加味してプログラムを作成する。運営ボランティアも募っている」
 -短編映画の魅力は。
 「短編映画は映画の原液のようなもの。個人で制作できるので、しがらみなく作品を作れる。作家性が強く出やすいため、万人向けではないものもあるが、才能の芽に触れられる面白さもある。見る人の好みも大事にしたいので、推薦基準を各自の独断と偏見に委ねている」
 -どのような映画祭を目指しているか。
 「『効率を優先しがちな世の中だけど、みちくさを食って余白を楽しんでみませんか』、という提案をしたい。普段触れない映画を、いつもと違う環境で見ることで、よく知っている街のよく知らない楽しみ方を体感するきっかけをつくる試みでもある。10代の頃、地元には文化的な刺激が少ないと思っていた。似たような物足りなさを感じている人にも楽しんでほしい」
 (東部総局・菊地真生)

 

いい茶0
あなたの静岡新聞 アプリ
地域再生大賞