乳がん検診、早期受診を 体験者らが講演 静岡・駿河区

 乳がん検診の早期受診を呼びかける「ピンクリボンイベントIN静岡」が23日、静岡市駿河区のグランシップで開かれた。乳がんに関する知識の普及を図り体験者の声を伝えるのが狙いで、関係者が講演した。

治療体験を振り返る関さん=静岡市駿河区のグランシップ
治療体験を振り返る関さん=静岡市駿河区のグランシップ

 日本乳癌(がん)学会乳腺専門医の菊池雅之医師(静岡赤十字病院)は、がん発症のメカニズムや最新の治療法、検診の流れ、副作用対策などを解説した。標準治療は「世界の英知の結晶」だと強調し、罹患(りかん)した場合は乳腺専門医のいる病院を受診するよう勧めた。
 7年前に左胸の全摘手術を受けた乳がん体験者の関知佳子さんは、初めて公の場で自身の体験を語った。重要な仕事に取り組んでいた時期に告知を受け、治療と両立させたことや、抗がん剤治療で点滴する針が刺さらずつらかったことなどを振り返り、「困り事は個人によって違う。主治医に自分の思いをきちんと伝えることが大切」と話した。
 2019年、がん治療に伴う外見の変化の苦痛軽減に取り組む「アピアランスケア」(外見ケア)の協会を立ち上げた美容家の熊野安芸子さんは「患者はいかに日々を楽しく過ごせるかが重要」とし、ウィッグの選び方や脱毛中のまゆげの描き方、爪の変色に対応するマニキュアの塗り方など、困り事への対応策を具体的に紹介した。
 イベントは友人の罹患(りかん)をきっかけにハンドメード作家で講師の入谷美智子さんが企画した。
 (社会部・大須賀伸江)

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