静岡人インタビュー「この人」 SDGsに関する絵本教材を制作し図書館に寄贈した 高田亜美さん(浜松市中区)

 SDGs(持続可能な開発目標)をテーマに子ども向け絵本「うさぎたんてい~うみとそらとやまのだいぼうけん~」を制作し、浜松市内の図書館などに寄贈した浜松学院大地域共創学科3年生。絵本サークル「Smile Leaf」代表。御殿場市出身の20歳。

高田亜美さん
高田亜美さん

 ―絵本の内容と工夫した点は。
 「依頼を受けたウサギの探偵が平和な街に起きた悲劇を伝え、海や山の自然に触れながら環境問題の謎の解決を目指す物語。読み手に考えてもらうきっかけをつくれるよう終わり方を工夫した。私たちの暮らしと山や海などの自然は一つにつながっていることを伝えたい」
 ―制作のきっかけは。
 「学童で小学生に本を読む機会があり、子どもたちの教材になるような絵本を作りたいと思った。大学が子どもと地域に関する学習環境が整っていた影響も大きい。社会に潜む『なぜ』という問いに向き合う機会をつくりたいと思った」
 ―取り組んだことは。
 「情報収集のため、ボランティアに参加した。弁天島(浜松市西区)のプロギングでは、浜名湖のポイ捨ての多さに驚いた。身近なごみが海の資源を汚していることを知るきっかけになった。酉(とり)の市(同市天竜区)にも参加し、露店の手伝いをした。伝統文化に触れながら地域の人と会話する中で、その人たちの思いを絵本に生かしたいと思った」
 ―今後の抱負は。
 「生きづらさを抱える友人が身近にいる。その人たちに光を与えられるような多様性をテーマにした絵本を作る予定。この経験を生かし将来は地域に根差した公務員の仕事に就き、家族や地域の人に恩返ししたい」
 (浜松総局・小林千菜美)

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