大相撲沼津場所 翠富士、熱海富士に沸く 静岡県内久々の巡業
沼津市制100周年を記念した大相撲の夏巡業沼津場所が30日、同市の香陵アリーナ(総合体育館)で開かれた。本県出身の幕内翠富士、7月の名古屋場所で十両優勝した熱海富士ら力士109人が参加し、熱のこもった取組や稽古が行われた。本県では3年9カ月ぶりの巡業に約3千人が声援を送った。
太刀持ちに翠富士を従えた横綱照ノ富士の土俵入りや、新大関豊昇龍らの取組のほか、髪結いの実演、相撲甚句や相撲の禁じ手を紹介する「初っ切り」など巡業ならではの催しも披露された。
飛龍高(同市)の相撲部員と同校出身の翠富士、熱海富士らとのぶつかり稽古も。関取衆への質問コーナーでは、同部の部長で熱海富士の妹武井陽奈さん(3年)が兄に相撲が強くなる方法を質問する一幕もあった。熱海富士に胸を借りた鈴木塁智さん(3年)=浜松市出身=は「大きな岩山のようですごい力を感じた」とプロの圧力を実感していた。
翠富士 熱海富士 「地元の応援うれしい」 飛龍高部員と稽古も
沼津市で30日開かれた大相撲夏巡業の沼津場所には、共に飛龍高(同市)出身の幕内翠富士(伊勢ケ浜部屋、焼津市出身)と十両熱海富士(同、熱海市出身)が参加した。沼津市で8年9カ月ぶりの巡業に両関取は「地元の応援がうれしかった」と喜んだ。
翠富士は「(29、30の両日開かれた)沼津夏まつりの雰囲気が懐かしかった」と久々の沼津に笑顔。飛龍高相撲部員とのぶつかり稽古には「本当に強い」と後輩たちのたくましさに驚いた。先場所は4勝11敗と負け越し。「ふがいない成績。来場所は地元で応援してもらったお返しをしたい」と活躍を誓った。
先場所十両優勝の熱海富士は「皆さんが『優勝おめでとう』と祝ってくれた」と満面の笑みを見せた。新型コロナウイルスの規制が緩和されて初のご当所での巡業に「やっと近くで声をかけてもらえる」と地元ファンとの触れ合いを楽しんだ。再入幕が確実の来場所に向け「今のままではまだまだ。巡業で稽古して強くなりたい」と意気込んだ。
(東部総局・尾藤旭)