⚽藤枝順心 完勝で頂点 プレーで圧倒 全国高校総体サッカー女子

藤枝順心―聖和学園 前半3分、頭で先制ゴールを決める藤枝順心・辻沢(左)=北海道・帯広の森陸上競技場(写真部・小糸恵介)
藤枝順心―聖和学園 前半3分、頭で先制ゴールを決める藤枝順心・辻沢(左)=北海道・帯広の森陸上競技場(写真部・小糸恵介)
前半14分、追加点のゴールを決めて喜ぶ藤枝順心・高岡(右から3人目)
前半14分、追加点のゴールを決めて喜ぶ藤枝順心・高岡(右から3人目)
後半26分、藤枝順心・久保田がチーム3点目のゴールを決める
後半26分、藤枝順心・久保田がチーム3点目のゴールを決める
藤枝順心―聖和学園 前半3分、頭で先制ゴールを決める藤枝順心・辻沢(左)=北海道・帯広の森陸上競技場(写真部・小糸恵介)
前半14分、追加点のゴールを決めて喜ぶ藤枝順心・高岡(右から3人目)
後半26分、藤枝順心・久保田がチーム3点目のゴールを決める

▽女子決勝
藤枝順心 3(2―0 1―0)0 聖和学園(宮城)
▽得点者【藤】辻沢、高岡、久保田

 【評】藤枝順心が強力攻撃陣で3得点。盤石の試合運びで聖和学園に完勝した。
 前線と中盤が連動してボールを奪って攻め続けた。前半3分に辻沢がゴール前のクロスに頭で飛び込み先制。14分はCKから高岡が2点目を挙げた。
 相手にほぼ好機をつくらせず被シュートはわずか4本。後半26分に、こぼれ球に反応した久保田がドリブル突破から3点目を奪って試合を決めた。

「狙い通り」辻沢3試合連続弾
 圧倒的な完成度で夏の女王に君臨した。サッカー女子の藤枝順心は、かつて夏開催だった全日本高校女子選手権初代覇者の聖和学園(宮城)を全く寄せ付けなかった。相手を徹底的に分析し、導き出した攻略法を攻守で遂行。5日間で4試合を行った真夏の消耗戦の最終日で、中村監督が「一番安心して見ていられた」とうなる快勝だった。
 前半3分、右サイドからのアーリークロスにFW辻沢が反応した。相手GKより一瞬早く頭で飛び込み3戦連発。「立ち上がりに相手DFラインとGK間の連係に不安があることは分かっていた。クロスもそれに合わせたタイミング」(辻沢)という狙い通りの先制弾で、試合の流れはほぼ決した。
 前線のプレス、中盤でのボール奪取も洗練されていた。最前列の3人が最終ラインのパスコースを限定しながら、あえて中盤の密集に入れさせたところを一気に囲んで速攻に転じる。相手が得意とするショートパスを寸断し、一方的にボールを保持。70分間を通じて「順心らしいサッカー」(主将のDF大川)を展開した。
 7年ぶりに夏を制し、次は全国総体と日本クラブユース大会の覇者が真の日本一を争う9月の「ファイナルズ」、年明けの全日本高校女子選手権を加えた全国3冠を狙う。冬の頂点に立てば、夏冬合わせた優勝回数は単独最多になる。

代表トリオ そろい踏み 高岡、久保田も得点決める
 藤枝順心が誇る世代別日本代表トリオがそろい踏みした。FW辻沢の先制弾を皮切りに、前半14分にFW高岡、後半26分にはMF久保田が決めて3得点。昨年のU-17(17歳以下)女子ワールドカップ(W杯)メンバーが本領を発揮した。
 170センチの高岡は「チームでセットプレーを大事にしてきた。ニアに入れば取れる」と、CKに完璧なタイミングで飛び込んで2戦連発。久保田はゴール前のこぼれ球を得意のドリブルで持ち込み、最後は相手GKもかわして流し込んだ。
 大阪学芸との1回戦は終了間際に久保田、高岡が絡んで起死回生の同点ゴール。星槎国際湘南(神奈川)との準決勝は辻沢が土壇場で同点PKをもぎ取るなどチームをけん引した。久保田は「準決勝は無得点だったので決勝は引っ張ろうと思っていた。脚を止めず走り切れた」と喜んだ。
 (運動部・山本一真)

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