富士山保全協力金 木札が“切り札” 新返礼品好評「自然感じる」 静岡県、主要3登山道5合目などで配布【富士山臨時支局】

 静岡県は今年、世界遺産富士山の環境保全管理に用いる「富士山保全協力金」の協力者証を、これまでの缶バッジから木札ストラップ=写真=に変更した。新装した“返礼品”への登山者の評価は上々で、県の担当者は協力率の最高更新に期待を込める。

富士山保全協力金を納め、協力証の木札を受け取る登山者=富士山富士宮口5合目(写真部・二神亨)
富士山保全協力金を納め、協力証の木札を受け取る登山者=富士山富士宮口5合目(写真部・二神亨)
富士山保全協力者証の木札=富士山富士宮口5合目(写真部・二神亨)
富士山保全協力者証の木札=富士山富士宮口5合目(写真部・二神亨)
富士山保全協力金を納め、協力証の木札を受け取る登山者=富士山富士宮口5合目(写真部・二神亨)
富士山保全協力者証の木札=富士山富士宮口5合目(写真部・二神亨)

 新しい協力者証は富士山麓周辺が原産のブランド木材「富士ヒノキ」が素材。縦6・5センチ、横3・5センチで、富士山世界文化遺産協議会が制定した世界遺産登録10周年記念のロゴマークをレーザー加工で彫り込んだ。県内では主要3登山道の富士宮口5合目、御殿場口新5合目、須走口5合目、水ケ塚駐車場の計4カ所で、保全協力金(1人千円)を支払った人に配布している。
 1日朝、富士宮口5合目の登山道入り口で木札ストラップを手にした会社員山浦信幸さん(52)=東京都江東区=は「木の香りがする。自然の豊かさを感じられ、富士登山の良い記念になる」と満足げに語った。受付ブースの後藤利子さん(64)は「昨年から『木札がほしい』という声を聞いていた。数千円支払って複数枚受け取る方もいる」と好反応を強調した。
 県は、山開き前に木札を7万枚用意したが、7月の状況を見て1万枚追加発注した。協力率の最高は2019年度の67・4%。県富士山世界遺産課の袖山菜津子主幹は「100%が最終目標だが、今年はひとまず7割を超えたい」と話し、8万枚の“完売”を願う。
 県は2017年度以降、公式サイトを通じて保全協力金の使途を詳細に示している。22年度は富士宮口登山道と御殿場口登山道の山小屋計2カ所の改修、新設に1291万円を費やすなど、総計2382万円の使途を明示した。袖山さんは「登山者の安全、サポートにも用いられている。協力してほしい」と呼びかけた。

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