発がん性疑われる高濃度PFAS 空自浜松基地西側で検出 市が測定、指針値28倍

 浜松市の航空自衛隊浜松基地の近接地で、発がん性が疑われている有機フッ素化合物(PFAS)が検出された問題で、市は2日、基地の西端敷地外側を流れる北部承水路支流(西区湖東町)で、国の暫定指針値の28倍の値を測定したと発表した。昨年から実施している市内調査の中で飛び抜けて高い濃度で、市は近隣住民に井戸水の飲用を控えるよう注意を呼びかけた。

航空自衛隊浜松基地近接地 有機フッ素化合物(PFAS)検出問題
航空自衛隊浜松基地近接地 有機フッ素化合物(PFAS)検出問題

 市は同日、同基地に対して市による調査を認めるよう要請した。同基地の広報担当者は取材に「要請の内容が確認できていないため答えられない」と述べた。
 調査は3回目で、5~6月に伊佐地川、新川周辺の水路8地点と地下水15地点を調べた。水路で暫定指針値(1リットル当たり50ナノグラム)を超えたのは北部承水路支流の1リットル当たり1400ナノグラムと、本流に当たる北部承水路の280ナノグラムの2地点。 初めて実施した地下水の調査では4地点で暫定指針値を超える220~140ナノグラムを検出した。市によると、上水道に影響はないという。
 同基地はかつてPFASの一種、PFOSを含む泡消火剤を使用し、2021年に防衛省が全国の防衛関連施設で実施した調査でも、同基地の一部の消火設備専用水槽で高濃度で検出された。現在はPFOSを含む薬剤の使用は中止されている。
 市の過去の調査では伊佐地川の谷上橋で最大260ナノグラムが検出されるなど、同基地に近い地点で濃度が高くなる傾向が表れていた。市は「基地とPFASの関係は現時点では不明だが、詳しく調べられるよう協力を求めたい」(環境保全課)としている。

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