浜言葉で聞く焼津人情 音声、動画 HPで公開 冊子デジタル化、静岡精華学園が寄贈
焼津市の方言「浜言葉」を集めた冊子の内容がデジタル化され、3日から市歴史民俗資料館のホームページで公開されている。文章はもとより、音声や動画を通じて、港町らしい言葉を学びながら、楽しむことができる。
公開したのは2017年に刊行した「人情を今に伝える 焼津の浜言葉」。焼津の浜言葉を遺(のこ)す会会長を務めた故・長谷川寅吉さんの編著で、静岡精華学園が運営する静岡福祉大が出版した。冊子は関係者に配布され、焼津図書館に置かれているが、貸し出しはしていない。同学園が浜言葉を多くの人に知ってほしいという思いから、デジタル版を市に寄贈した。
冊子での本文に加え、付属のCDに収録された浜言葉を駆使した交通安全標語や日常会話などの音声、紙芝居「いなむらの火」の動画をホームページから閲覧することができる。音声では遺す会の会員が吹き込んだ「やめざーよ(やめようよ)」といった荒っぽいが温かな響きの浜言葉を聞くことができる。
4日には市役所でデジタル版の贈呈式が行われた。同学園の杉原桂子理事長、太田晴康事務局長らが出席した。太田事務局長は方言を言語として位置づける動きを指摘し、「若い人に(浜言葉を)焼津の人情とともに受け継いでいってほしい」と語った。公開されている浜言葉の音声データを聞いた中野市長は懐かしみながら「残してくれてありがたい」と感謝の言葉を述べた。
(焼津支局・福田雄一)