86歳で夢実現、画廊オープン 半世紀余の店閉じ再始動 沼津の梅野さん

 沼津市三枚橋町で半世紀余、時計・眼鏡販売店「水晶堂」を営んだ梅野郁夫さん(86)が11日、昨年末閉店した店をギャラリー「水晶堂画廊」として再オープンする。絵画が趣味の梅野さんや仲間が描いた作品を並べ、夢だった“第二の人生”の舞台が幕を開ける。

「人生の集大成」と画廊のオープン準備を進める梅野さん=沼津市三枚橋町
「人生の集大成」と画廊のオープン準備を進める梅野さん=沼津市三枚橋町


 佐賀県出身の梅野さんは高校卒業後、兵庫県や三島市の時計店で修行後、1965年に28歳で沼津市内に水晶堂を開業。数年前から高齢もあって時計の修理など細かな手仕事の出来栄えに満足できなくなり、後継者もいないことから「もう潮時」と閉店を決断した。
 「仕事はきちんとやってきた」と自負する梅野さんの息抜きだったのが、登山と絵画。画材を手に遠くは北海道大雪山系の山々へも出向き、山小屋や高山植物をスケッチした。60代後半からは沼津美術協会に所属し、水彩画を中心に本格的に絵画に取り組んできた。「山小屋で御来光を望みながら絵筆を走らせるのは格別だった」と振り返る。
 閉店後は、長年温めてきた画廊の夢の実現に動いた。店舗だった建物の1、2階を改装し、スタート時は風景画や静物画を中心にした約50点と、小品20点余りを展示、自身の作品は一部販売もする。季節ごとに作品を入れ替える他、展示依頼も受け付ける。
 開店日は趣味の登山から「山の日」に決めた。「佐賀から出てきた私を沼津の皆さんにもり立ててもらった。画廊は人生の集大成。皆さんに楽しんでもらえたら」と心待ちにする。
 毎週金、土、日曜の午前10時~午後5時に開く。問い合わせは同画廊<電055(962)6161>へ。
 (東部総局・尾藤旭)

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