記者コラム「清流」 ハレの日 心の潤い

 沼津市中心街に威勢のいいかけ声と鳴り物の音色が響いた。7月の週末、県東部有数のイベント「沼津夏まつり・狩野川花火大会」が開かれた。コロナ対策を全廃した4年ぶりの通常開催で、市内のみこしが集まる「みこし渡御」も復活。法被をまとい軽快な足取りで担ぐ人々に心が躍った。
 夜、花火の見物客でごった返した。ほとんどの人がマスクをせず、解放感と活気があり、外国人観光客も多く見かけた。花火が打ち上がり始め、あたりを見回すと全員が空を見上げていた。光に照らされた笑顔を見た時、この光景だけで祭りの意義があったと思えた。
 物価高、猛暑、凶悪事件の発生などのニュースで気が重くなりがちな今夏だが、まさに「ハレの日」の2日間が心の潤いになった気がした。
 (山本萌絵佳)

いい茶0
あなたの静岡新聞 アプリ
地域再生大賞