台風15号被災1年 静岡大がシンポ 復旧支援、洪水予測…研究者が提言

 静岡大は20日、昨年9月の台風15号による被災をテーマにしたシンポジウムを静岡市清水区の清水テルサで開いた。当日の気象や被災状況に関する学術データのほか、復旧に向けた息の長い支援の重要性について同大の研究者らが発表し、被災1年を前に市民ら約150人が防災意識を高めた。

昨年9月の台風15号による被災について静岡大が開いたシンポジウム=20日午後、静岡市清水区の清水テルサ
昨年9月の台風15号による被災について静岡大が開いたシンポジウム=20日午後、静岡市清水区の清水テルサ


 冒頭に登壇した静岡地方気象台の北田繁樹台長は被災時に県内で予想を上回る降水量を記録したことを挙げ、「防災関係機関向けの説明会を行った上で、最悪のシナリオを想定し、注意・警戒を呼びかけるべきだった」と振り返った。
 台風15号と七夕豪雨被害の比較と題して講演した同大の北村晃寿教授は、「1974年7月の七夕豪雨から約半世紀が経過し、温暖化に伴う海面上昇と地盤沈下が重なり洪水のリスクは増大している」と指摘。潮位表を見て洪水の予測をすることなどを提言した。
 望月美希助教は清水区を中心にした被災者支援対応について講演し、住民の精神面のケアやコミュニティー支援の重要性を説いた。
 (清水支局・坂本昌信)

 

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