国交省、取水施設の災害対策強化へ 静岡・清水区の大規模断水教訓

 国土交通省は2024年度、水道水を供給するための取水施設の災害対策を強化する。22年9月の台風15号の際に、静岡市清水区で大規模な断水が発生したことを受けた対応。自治体が土砂災害で被災するリスクが高い取水施設を移転したり、対策工事を行ったりする場合の費用を支援する。
 24日公表の24年度予算の概算要求に盛り込んだ水道施設整備費416億円の一部を充てる。
 対象は、土砂災害警戒区域内の取水施設を想定。区域外に施設を新設したり、土砂流入を防ぐ擁壁を設置したりする費用を補助する。施設自体は警戒区域内になくても、近接していれば被災の可能性があるため、土砂災害の影響範囲の考え方を今後、検討していくという。
 台風15号では、大雨の影響で興津川の承元寺取水口に土砂や流木が詰まり、取水ができなくなった。約6万3千戸で断水し、復旧までに13日間を要した。同取水口は土砂災害警戒区域に位置していない。
 国の担当者は「取水施設は水供給のスタート地点。被災すれば国民生活に多大な影響を及ぼす。線状降水帯による大雨が頻発していることを踏まえ、対策強化が必要と判断した」と説明している。
 (東京支社・山下奈津美)

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