省エネ設備補助追加へ 静岡県、9月補正 中小企業に8億円

 静岡県内の中小企業の脱炭素化経費を助成する県の中小企業等省エネ設備導入促進事業について、2023年度当初予算編成時の想定を超える申請が寄せられ、県は9月補正予算案に8億円を追加する方針を固めた。同事業初年度の22年度は申請件数が伸び悩んだが、23年度に新設した「特別枠」に対する申請が予想を上回り、早々に当初予算額に達していた。

静岡県庁
静岡県庁


 同事業は、県内外にある事業所全体の年間エネルギー使用量が原油換算で1500キロリットルに満たない法人や事業主を対象にしている。対象企業が二酸化炭素(CO2)排出量を5%以上削減できる空調、給湯、照明などを導入する場合、設置経費の3分の1以内(上限200万円、下限20万円)を助成する。
 特別枠は、CO2削減量が10トンを超える空調、給湯、照明などの設備▽CO2削減量5%以上の設備2種類以上▽自然冷媒機器-のいずれかの導入が要件で、経費の3分の2以内(上限600万円、下限20万円)の補助が受けられるよう補助額や対象機器を拡充した。
 県によると、22年度予算額は6億円だったが、原油高や台風15号などの災害対応で設備投資に手が回らない事業者が多く、補助採択は69件、予算執行額は約8100万円にとどまった。23年度は、5月の募集開始から2カ月弱で165件の申請があり、早々に5億円の当初予算額に達した。その後も100件を超す問い合わせがあるという。
 県は補正予算案が県議会9月定例会で可決されれば、速やかに追加申請に対応する。各種設備の施工業者を県内業者に限定しているため、地域経済の活性化にもつなげたい考え。
 (政治部・豊竹喬)

いい茶0
あなたの静岡新聞 アプリ
地域再生大賞