「男の子」「女の子」のみ連続出産→次の子も同じ性別の可能性 浜医大特任講師ら「性比」傾向分析

 連続して男の子を産んできた人からは、次に生まれる子も男の子の可能性が高く、女の子のみの場合は、次も女の子が生まれる可能性が高い―。浜松医科大医学部生殖周産期医学講座の宗修平特任講師(42)らの研究グループが、国立環境研究所との共同研究で約10万人を対象とした全国調査のデータを活用し、そんな傾向を確認した。ヒトの性比や妊娠に関する理解が進むことが期待される。研究成果は国際学術誌「プロス ワン」に掲載された。

生まれてくる赤ちゃんの兄弟姉妹
生まれてくる赤ちゃんの兄弟姉妹
宗修平特任講師
宗修平特任講師
生まれてくる赤ちゃんの兄弟姉妹
宗修平特任講師


 宗特任講師らは、生まれてくる子どもの性別とその子の兄、姉との性別について関連を調べた。環境省が2010年度から全国約10万組の親子を対象として進めている子どもの健康と環境に関する追跡調査のデータを利用した。
 赤ちゃんの性別の比を示す「二次性比」はヒトの場合、わずかに男の方が多く、数値で表すと「1」よりやや大きな値になることが知られている。今回のデータでも、初産の子の二次性比は1・055だった。ところが、第1子が男児だった場合、第2子の二次性比は1・068、女児だった場合は1・039となり、わずかに第1子と同じ性別の子が生まれる傾向が見られた。
 第3子以降を産んだ人を調べると、それまでに男児のみを出産してきた人は、次の子の二次性比は1・112、女児のみを出産してきた場合は0・972と偏りが確認された。連続して男児を妊娠、出産した場合、次回も男児となる確率は、連続して女児を妊娠、出産している場合よりも7%高いということも分かった。
 さらに、男の子のみを産んできた数が増えるほど、次に生まれる子も男の子である可能性が高まり、女の子のみの場合も同様の傾向も認められた。
 宗特任講師は「妊娠、出産については倫理面などの理由から研究が進んでいない点も多い」と指摘。「今回の調査を、妊娠のメカニズムの解明などにつなげたい」と話している。
 (浜松総局・松浦直希)

 

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