静岡人インタビュー「この人」 修善寺紙の発展に努める 舛田拓人さん(伊豆市)

 大学院修了後、大阪府のスポーツ用品メーカーに勤務し、サッカーシューズの商品開発に携わる。2021年9月から伊豆市地域おこし協力隊として同市修善寺に移住。同市の紙谷和紙工房で和紙を作るほか、原材料を育てたり観光客への紙すき体験を行ったりしている。富山市出身。31歳。

舛田拓人さん
舛田拓人さん

 -同隊応募のきっかけは。
 「自分のやりたいことができる企業で働いていたが、改めて自分で決定権を持って仕事をしたいと思うようになった。世界で通用する事業、さらに伝統工芸に挑戦したいと思い調べたところ、『修善寺紙』を見つけた。地域になじみやすく、支援もあることから、応募を決意した」
 -伊豆市の良さは。
 「地元の方やほかの移住者と交流し、『地域のために何ができるか』と考えている人がたくさんいることが分かった。自分にとっても刺激になる。自然豊かなところや桂川、温泉場の雰囲気も好き」
 -修善寺紙の魅力は。
 「約千年の歴史があるところに価値があると思っている。千年分の人が継承していると考えると愛情を感じる。紙自体はしなやかで柔らかく、紙の繊維が細いので艶が出る。ペンで書くとにじみが少なく、絵も描きやすい」
 -今後の展望は。
 「修善寺紙の文化をつなぎたい。地元の方が誇りに思ってもらえるように、県内外、世界中をターゲットに広めていきたい。地元小中学校で恒例行事だった修善寺紙を使った卒業証書制作も再開し、子どもたちの心に残る文化にしたい。昔、修善寺紙は薄紅色の色好紙(いろよしがみ)と言われていて、その再現にも取り組んでいる」
 (大仁支局・小西龍也)

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