記者コラム「清流」 富士登山中の国際交流

 今夏、富士山臨時支局の支局員に指名された。取材テーマは、外国人登山客の多言語対応。山小屋などに事前取材して臨んだが、電話だけではイメージが湧かない。的確な記事を書けるのか-。不安を抱え、人生初の富士登山に挑んだ。
 登山中、すれ違う下山客と「こんにちは」「ありがとうございます」「頑張って」と声をかけ合った。息が上がってきつい時も、エールをもらうと頑張れる。外国人にも声をかけると、多くの人が日本語で返してくれて、うれしかった。
 山の上は、年齢、国籍、性別を問わず平等だ。外国人でも日本語のあいさつさえ覚えれば、つらさを分かち合える。通訳アプリを使えば意味は伝わるが、視線の先にはスマートフォン。やはり「目を見てあいさつ」に勝るコミュニケーションはないのかもしれない。
 (東部総局・菊地真生)

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