沼津に文学リヤカー 焼き芋店が古本行商、イモテリア改め「山仲」

 冬季に沼津市街地でリヤカー行商を行っている焼き芋専門店「イモテリア」は今夏、「山仲」に屋号を改め、古本行商を始めた。毎週火曜日、沼津市大手町のカフェ「チャトラコーヒー」前に出店し、沼津の本文化発信に力を入れる。

リヤカーによる古本行商を始めた後藤さん(右)と宮崎さん=沼津市大手町のチャトラコーヒー
リヤカーによる古本行商を始めた後藤さん(右)と宮崎さん=沼津市大手町のチャトラコーヒー

 運営するのは、同市の後藤師珠馬[しずま]さん(33)と宮崎篤人さん(62)。サツマイモの収穫がない夏季もリヤカー行商を継続しようと、専用リヤカーを作って7月下旬に古本販売を始めた。軒先で小規模飲食店などの不定期出店を受け入れているチャトラコーヒーの店主古谷哲成さん(42)が本好きだった縁で、出店が決まった。
 高さ約2メートルのリヤカーには古本600冊を収納可能で、地元有志が作るミニコミ誌「月刊イヌ時代」も販売している。宮崎さんは「いずれは足踏みオルガンも積み、市内のイベントに出店する」と意気込む。
 山仲は後藤さんの先祖の屋号で、イモテリアは焼き芋ブランドとして継続する。後藤さんは「コーヒーを飲みながら、購入前の本も手にとっていただいてかまわない。沼津は大規模書店の閉店が続くが、書店めぐりができる文学の町にしたい」と目標を語った。
 (東部総局・菊地真生)

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