静岡県「水循環」計画で保全部会 8圏域ごと策定了承 

 静岡県環境審議会の水循環保全部会(部会長・蔵治光一郎東京大大学院教授)が29日、県庁で開かれ、県から諮問を受けている「流域水循環計画」策定に向けた基本的な考え方について審議した。同部会は、河川水系や利水状況、各地の課題などに応じて県内を8圏域に分割し、圏域ごとに策定する県の案を了承した。
 同計画は県水循環保全条例に基づき、異常気象や開発行為による水環境の変化への対応や、県民の不安払拭を目的に策定する。
 計画の枠組みとなる圏域は、砂防、水産資源の保護なども踏まえ、伊豆海岸、狩野川、富士川、安倍川、大井川・菊川、太田川、天竜川、浜名湖の8圏域とすることで一致した。
 圏域の計画策定順について、県は水質、水量、治水、自然環境を数値化して評価し、緊急性の高い圏域から策定する案を提示した。委員からは「住民の不安などはどう評価するのか」「歴史文化、SDGs達成度といった観点も取り入れたらどうか」との意見があった。県は今後、部局をまたいで評価指標を収集する。
 同部会は来年1月まで審議する。県は環境審議会の答申を経て、同2月以降、計画策定に着手する予定。
 (政治部・豊竹喬)

いい茶0
あなたの静岡新聞 アプリ
地域再生大賞