静岡南署「ACR隊」 寸劇で詐欺手口再現 高齢者の集まりで注意訴え

 おばあちゃんちに僕宛てのはがき届いてる?-。静岡南署の特殊詐欺の電話機対策チーム「ACR隊」が、高齢者の集まりを回って静岡市駿河区で発生した最新の特殊詐欺の手口を寸劇で再現し、注意を呼びかける活動に注力している。孫をかたる軽い電話から始まり、急展開で不安に陥れて現金をだまし取る巧妙な手口を示し、電話に出ない対策の必要性を訴えている。

高齢者に向けて実際の手口を寸劇で紹介する杉山慎一生活安全課長=8月下旬、静岡市駿河区
高齢者に向けて実際の手口を寸劇で紹介する杉山慎一生活安全課長=8月下旬、静岡市駿河区
高齢者に向けて実際の手口を寸劇で紹介する杉山慎一生活安全課長=8月下旬、静岡市駿河区
高齢者に向けて実際の手口を寸劇で紹介する杉山慎一生活安全課長=8月下旬、静岡市駿河区
高齢者に向けて実際の手口を寸劇で紹介する杉山慎一生活安全課長=8月下旬、静岡市駿河区
高齢者に向けて実際の手口を寸劇で紹介する杉山慎一生活安全課長=8月下旬、静岡市駿河区

 8月下旬、同市駿河区の東新田公民館。地域の老人会「東新田せきれい会」の会合に杉山慎一生活安全課長らが訪れ、7月に発生した詐欺被害の状況を実際に携帯電話や固定電話を使って伝えた。再現された詐欺の手口はこうだ。
 プルルルルル-。高齢女性宅に孫をかたった何者かからの電話が鳴る。「最近暑いけど体は大丈夫? 電話しなくてごめんね。僕宛ての同窓会の案内はがき届いたらとっておいて」。女性は声を聞いて孫だと信じ込んだ。翌日、株でもうけたお金を預かってほしいとの依頼があった。孫だと信じたまま話に付き合い、証券会社の社員を名乗る男にも住所や連絡先も伝えた。
 その後、証券会社の社員役からの電話で事態は急展開する。「お孫さんが税金を滞納していたようで、国税局に逮捕されてしまう」
 同窓会の案内はがきを保管しておいてほしいという孫からのほのぼのとした依頼の話が、いつの間にか弁護士費用100万円を貸してほしいとの要求に変わっているという手口だった。
 杉山課長は「本物の孫や息子だと信じているから、現金まで渡してしまう。手口を詳細まで伝えることで詐欺被害を自分事に捉えてもらいやすい」と狙いを語る。同チームは今後も新しい手口に内容を更新しながら発信を続けていく。
 (社会部・吉田史弥)

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