静岡人インタビュー「この人」 県環境資源協会長に就任した 平井一之さん(藤枝市)

 6月末に開かれた定時総会で静岡県環境資源協会の第3代会長に就任した。資源やエネルギー、廃棄物問題に対し、県知事が専門指導を認可した機関である同協会の専務理事として10年以上培った人脈や経験を生かし、行政と産業界のパイプ役を担う。自宅で飼っているボーダーコリー2匹との散歩を楽しむ愛犬家。72歳。

平井一之さん
平井一之さん

 -協会の活動内容は。
 「脱炭素化、循環型経済、自然共生という三つの課題に対し、環境と経済が両立する社会を構築するため、県や環境省の補助事業を執行している。22年度は全国の企業や団体から650件、計132億円の補助金採択があった」
 -環境省が推奨する環境経営システム「エコアクション(EA)21」の地域事務局も担っている。現状と展望は。
 「県をはじめとする静岡の行政機関はEAに対する意識が高く、本県の累積取得事業者数は980件で全国一を誇る。取得推進に向けて、企業が取引先などを集めて開く勉強会『グリーン化プログラム』を引き続き応援していきたい」
 -会員企業に求めることは。
 「SDGs(持続可能な開発目標)の観点から見ても、環境問題へ真剣に取り組むことは経営メリットにつながる。CSR(企業の社会的責任)からCSV(共有価値の創造)経営にシフトし、社会課題の解決が自社のビジネスチャンスに成り得るということを理解してほしい」
 -今後注力したいことは。
 「地域で生み出したエネルギーや資源を地域の資産として活用する『自立分散型社会』を目指したい。業務の専門性を縦軸、環境理解を横軸とする“T字型”の環境人材の育成にも取り組んでいきたい」
 (社会部・薬袋貴信)

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