静岡人インタビュー「この人」 名古屋税関清水税関支署長に就任した 谷本勇王(たにもといさお)さん(静岡市清水区)

 中部空港税関支署次長などを歴任、7月に就任した。税関の三つの使命である「安全・安心な社会の実現」「適正かつ公平な関税等の徴収」「貿易の円滑化の推進」の実現を抱負に掲げる。岐阜県高山市出身。57歳。

谷本雄王さん
谷本雄王さん

 -県内に初赴任の感想は。
 「郷里は海がない場所だったこともあり、駿河湾越しの富士山を見ながら日々仕事ができることが感激だ。静岡県は全国有数の工業地域であり、農林水産業や観光業も盛ん。まさに三拍子そろっていて、このような地域はほかにない」
 -抱負は。
 「輸出入関係事業者に対し、税制面などで優遇措置のある各国との経済連携協定(EPA)に関する情報提供を積極的に行い、利活用支援をしたい。輸出入促進に向けた取り組みを通して貿易の円滑化と清水港などの活性化につなげる。県や市町といった地方自治体とのパイプを強くし、地域とともに発展する税関になりたいと考える」
 -課題は何か。
 「全国の税関での不正薬物の押収量は7年連続で1トンを超え、深刻な事態だ。清水税関支署は県内七つの出張所と一つの監視所を擁する組織ながら、県内の海岸線は500キロにも及び、税関だけの力では水際での防止は困難。警察や海上保安部ともよく連携をし、不正薬物の密輸阻止に向け、緊張感を常に持ち取り締まりに当たりたい」
 -海外旅行客も増えている。
 「新型コロナウイルスの感染拡大が一服し、清水港にも外国の国際クルーズ船が多く入港している。静岡空港は現在韓国便が就航しているが、中国便など今後さらなる増便が期待されている。インバウンド需要に対する期待は大きく、円滑な通関と厳格な水際取り締まりを実施する」
 (清水支局・坂本昌信)

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