「自治会」「避難所」… 外国人にも伝わる日本語に 磐田市がガイド本 職員向け研修会も

 磐田市はこのほど、外国人らに配慮して難しい言葉を分かりやすい表現に言い換える「やさしい日本語」の市民向けガイドブックを作製した。市内に住む多くの外国人らとのコミュニケーションに生かしてもらい、多文化交流を促す。市の窓口業務にも活用しようと、6日には職員を対象にした研修会を市役所で開いた。

「やさしい日本語」のガイドブックを活用した市職員の研修会=磐田市役所
「やさしい日本語」のガイドブックを活用した市職員の研修会=磐田市役所


 市内には約9400人の外国人が住み、人口の5%以上を占める。市ダイバーシティー推進室は「外国人在住者が地域コミュニティーになじみやすくするだけでなく、高齢者や障害者も含め市内に住む人たちが互いを思いやる関係づくりにつなげたい」としている。
 ガイドブックはA4判11ページ。自治会は「近所に住む人の集まり」、避難所は「災害が起きた時に、みんなが逃げるところ」などの言い換え例を紹介する。4コマ漫画形式で、特産のシラスをモチーフにしたキャラクターがやさしい日本語を解説するコーナーを設けた。千部用意し、市内の公共施設に置いたほか、外国人在住者が多い自治会に配布した。
 研修会には市役所や図書館、消防署などで窓口業務を担当する職員20人が参加した。①不要な内容を削り、伝えたい情報を整理する②漢語や敬語などを簡単な言葉に言い換える③二重否定や擬音語など曖昧な表現を避け、はっきりと伝える-など、やさしい日本語を考えるポイントを学んだ。台風接近の注意を呼びかける文章などを言い換える演習にも取り組んだ。今後、難解な表現が多い行政文書や庁内表示の改善を図っていくという。
 (磐田支局・八木敬介)

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