金原明善の功績、漫画で知って 私財なげうち天竜川の治水尽力 浜松の有志制作、没後100年で

 浜松市内の市民有志でつくる金原明善編集委員会(花井和徳委員長)は4日、明善翁没後100年に合わせて制作した漫画冊子「金原明善さんと今を生きるわたしたち」約7800冊を市内の全小中学校に寄贈した。授業の教材などとして活用される。

漫画冊子の制作に関わった大場さん(右)と江川さん=浜松市中区の市教委
漫画冊子の制作に関わった大場さん(右)と江川さん=浜松市中区の市教委

 私財をなげうって天竜川の治水に尽力し、農林業や金融、運輸業など幅広い産業を興した明善翁の生涯を、子どもにも読みやすい漫画で解説した。水害や貧困から人々を救うため、創意工夫と実行力で成果を上げていく過程が、人間性とともに描かれている。
 明善翁の功績は市内の小中学校で広く学ばれているが、物語として読みやすくまとめた漫画は珍しい。蜆塚中講師の大場康弘さんら教員経験者、金原治山治水財団の関係者らが編集し、中区の漫画家江川直美さんが作画を担当した。
 大場さんは「明善さんを過去の人と考えるのではなく、教えを現代に生かし、生き方の指針とするために学んでほしい」と話した。ホームページ(https://meizensan.jp)で誰でも電子版を読むことができる。
 (浜松総局・宮坂武司)

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