選択的夫婦別姓テーマに 静岡女性史研究会が新刊 事実婚など体験談 アンケート結果も

 静岡女性史研究会(大塚佐枝美代表)はこのほど、「しずおかの女たち」第11集(A5判、260ページ、羽衣出版)を発行した。「選択的夫婦別姓」を特集テーマとし、旧姓の通称使用や事実婚を選択した女性の体験談を掲載している。

静岡女性史研究会が発行した「しずおかの女たち」第11集=静岡市葵区
静岡女性史研究会が発行した「しずおかの女たち」第11集=静岡市葵区


 2019年の第10集「私たちの今を問う」以来、4年ぶりの出版。キャリアの途中で結婚して旧姓使用を続けた大学教授や弁護士のほか、夫婦別姓を原則とする国際結婚で子どもの名付けに両親の母国のルーツを込めたケースなど、幅広い対象を取り上げている。
 事実婚にこだわって「出産後、婚姻届と出生届を提出して子どもを夫の姓にし、すぐ離婚届を出した」という体験談や、「姓を変える苦労を先輩から聞いていたので旧姓を使いたかった」「子育てで支障を感じなかった」といった生の声を伝えている。同会の会員が人選してインタビューを申し込み、文章化した。
 聞き書きに加えて県内の実情を探るため、10代から80代以上の男女214人にアンケートを行った。選択的別姓を希望した回答者は全体の54%おり、女性だけで計算すると59%だった。
 1冊1650円。問い合わせは静岡女性史研究会<電054(270)8062>へ。
 (社会部・大須賀伸江)

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