建造物守る「名工」の技 体感 磐田・豊田東小で出前講座

 磐田市高見丘の豊田東小で7日、県の「技能マイスター」に認定されている宮大工沢元教哲さん(65)=同市鎌田=の出前講座が開かれた。6年生61人が、「現代の名工」でもある沢元さんから、歴史的な建造物を守る匠(たくみ)の技について学んだ。

沢元さん(左)の手ほどきを受けながら、かんながけに挑戦する児童=磐田市高見丘の豊田東小
沢元さん(左)の手ほどきを受けながら、かんながけに挑戦する児童=磐田市高見丘の豊田東小

 沢元さんは自身が手がけた仕事として、県の文化財に指定されている府八幡宮(同市中泉)の楼門の修復工事を例に挙げた。屋根に張る木板は雨水を吸いにくくするため、機械を使わずになたで1枚ずつ作るなど、伝統的な技法を紹介。木材が長い年月を経ると縮む習性を加味して、構造材の傷んだ部分をつなぐ木材をあえて少し厚めにしたことなどを説明し、「100年、200年先に修理することなどを考えながら仕事をする」と語った。
 児童は沢元さんの手ほどきを受けながら、かんながけにも挑戦した。木材を薄く削ることに成功すると笑顔を見せた。平野心葉さん(12)は「かんながけは初めてで難しかったけど、きれいに削れて楽しかった。見えないところですごいことをしている仕事だと分かった」と話した。沢元さんは「子どもたちには、将来の仕事として大工に興味を持ってほしい」と期待した。
 (磐田支局・八木敬介)

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