窓口に軟骨伝導イヤホン 伊豆の国市、静岡県内自治体で初導入

 伊豆の国市はこのほど、耳の軟骨に振動を与えて音を伝えるイヤホン「軟骨伝導聴覚補助イヤホン」を市役所窓口に設置した。県内の自治体で軟骨伝導の仕組みを使ったイヤホンを導入したのは同市が初めてという。

伊豆の国市役所窓口に設置された「軟骨伝導聴覚補助イヤホン」=同市役所長岡庁舎
伊豆の国市役所窓口に設置された「軟骨伝導聴覚補助イヤホン」=同市役所長岡庁舎

 イヤホン本体を軽く耳に接触させると、集音器で拾った音がクリアに伝わる。耳を完全にふさぐことがないので周囲の音の聞き取りに影響はなく、振動によって伝わるため音漏れの心配もない。
 市担当者によると、比較的安価で取り扱いやすい。音漏れが少なく、大声での会話が不要になるのでプライバシー保護に役立つという。「聴覚に不安のある高齢者らも職員の声が聞き取りやすくなる。窓口での説明がよく理解できるようになると思う」と期待を寄せた。
 伊豆長岡庁舎と大仁庁舎の窓口、韮山福祉・保健センター内の市社会福祉協議会の窓口に置く。
 軟骨伝導のメカニズムは奈良県立医科大の細井裕司学長が2004年に発見した。
 (大仁支局・小西龍也)

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