看護師「特定行為」研修へ 磐田市立総合病院指定 医師待たず呼吸器操作

 磐田市立総合病院は13日までに、医師不在でも一部の医療行為を行える看護師を育成する「特定行為指定研修機関」に指定された。中東遠地域では初。研修を修了した看護師は医師の判断を待たずに人工呼吸器の離脱などが実践でき、患者への迅速な処置につながる。院外からも看護師の研修を受け入れ、地域医療の質向上に貢献していく。

「特定行為指定研修機関」の指定証を持つ山崎院長(左)と工藤看護部長=磐田市立総合病院
「特定行為指定研修機関」の指定証を持つ山崎院長(左)と工藤看護部長=磐田市立総合病院


 同病院は10月、気道確保や人工呼吸療法、動脈血液ガス分析関連など術中麻酔管理領域6区分8行為の研修を開始する。研修を修了すれば、事前に医師が作成した手順書に沿って看護師の判断で医療行為が行える。山崎薫院長は「日頃から看護師は高い意識と判断能力を養っている。さらに特定行為の研修を可能にすることで、看護師のキャリアアップ、モチベーションの向上を後押ししたい」と強調する。
 オンラインでの座学研修受講を優先して行う研修室の整備や、人形を使った実技を行えるシミュレーターの導入など、指定に向けて準備を進めてきた。初年度の研修は同病院勤務の2人が受ける。2年目からは研修カリキュラムを改善し、院外の看護師も受け入れるなどして年間4人以上の修了を目指す。
 工藤ゆかり副院長兼看護部長は「高い知識や技術を持ち、地域住民のニーズに応えられる看護師を育て、在宅医療のレベルアップや地域包括ケアの推進につなげたい」と意欲を示した。
 (磐田支局・八木敬介)

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