廃棄物でカブトムシ飼育 焼津「しいの木」 環境問題学ぶ 成虫まで観察

 焼津市東小川のオルタナティブスクール「しいの木」の児童生徒がサッポロビール静岡工場(同市浜当目)のビール製造過程で出たビールかすなどを使って、カブトムシを飼育する課外授業が15日から始まった。来年6月までをめどに幼虫から成虫になるまでの成長観察を通じて、廃棄物の有効活用といった環境問題について学ぶ。

カブトムシの幼虫に触れる子どもたち=焼津市浜当目のサッポロビール静岡工場
カブトムシの幼虫に触れる子どもたち=焼津市浜当目のサッポロビール静岡工場
ボトルに土を詰めていく子どもたち=焼津市浜当目のサッポロビール静岡工場
ボトルに土を詰めていく子どもたち=焼津市浜当目のサッポロビール静岡工場
カブトムシの幼虫に触れる子どもたち=焼津市浜当目のサッポロビール静岡工場
ボトルに土を詰めていく子どもたち=焼津市浜当目のサッポロビール静岡工場

 カブトムシは、「モルトフィード」と呼ばれるビールかす、藤枝市のしいたけ農家から提供を受けた使わなくなった菌床、朽ちた木といった本来であれば捨てられる物を配合したオリジナルの飼育マットで育てていく。同工場の従業員が3カ月かけてあらかじめ作った。カブトムシの成長を促進する「栄養の高い土」(同工場担当者)だという。
 15日に同工場で行われた授業には、児童生徒や同工場従業員、焼津ロータリークラブのメンバーらが参加した。児童生徒はそれぞれ渡されたボトルに土を詰めていくと、一匹の幼虫を入れていった。その後、成虫の姿を想像しながら名前を付けた。
 ボトルは同工場内で保管され、飼育していく。児童生徒は月1回のペースで同工場を訪ね、成長の様子を観察する。来年6月をめどに成虫に育つという。
 「しいの木」の活動を支援してきた焼津ロータリークラブが、子どもたちに地域で学ぶ機会を設けたいと企画した。10月19日には、しいの木の児童生徒が市内各所を訪ね歩く「町の見学会」を行う予定。「しいの木」の見崎聡代表理事は「子どもたちにとって継続的な学びの場となる」と謝意を示した。
 (焼津支局・福田雄一)

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