瀬名姫の生涯 英文で絵本に 常葉大橘中生が制作へ 学芸員講義で理解深める

 静岡市葵区の常葉大橘中の3年生が、徳川家康の正室・瀬名姫(築山殿)をテーマにした英文の絵本制作を進めている。22日は市歴史博物館の広田浩治学芸課長を同校に招き、瀬名姫に関する講義を受け、その生涯に理解を深めた。

瀬名姫の生涯について広田課長から解説を受ける生徒=静岡市葵区
瀬名姫の生涯について広田課長から解説を受ける生徒=静岡市葵区

 広田課長は、史料が極めて少ない瀬名姫の生きた時代背景や、今川義元の遠縁で重臣の関口氏純の娘として生まれた生涯を時系列で解説。今も謎に包まれている瀬名姫と家康との嫡男・信康が相次いで命を落とした事件などを紹介した。
 事件の原因の一つとして考えられる家康との不和を巡っては「いつ仲が悪くなったのか、瀬名姫が本当に悪い女性だったかは分からない。家康と仲が悪くない時期の方が長い」と指摘。「徳川家の中で女性リーダーとしてある程度の力があり、家康が命を奪わないといけない状況になっていたのではないか」と話した。
 3年生約60人が探究学習の一環で挿絵やストーリー構成など分担して本年度内の完成を目指している。講義を聴いた長野莉子さん(14)は「時系列で瀬名姫の生涯を理解できた。歴史に影響を与えた人物だと感じた」と語り、望月心愛さん(15)は「ネットで調べても出てこないような話を聞くことができた。絵本の材料になる」と話した。
 (社会部・吉田史弥)

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